2023/8/8
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故障しない走り方について |
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こんにちは 馬場大輔です。 今日は走り方について語りたいと思います。 実際に走っている現役市民ランナー(主にトレラン)として、運動指導者として日本選手権優勝選手から走り始めたばかりの方への指導、医療従事者としての治療視点も含めての私の走り方についての持論を述べていきたいと思います。 あくまでも持論なのでその点予めご了承ください。 結論 まずは、結論からお伝えします。 私は故障しない走り方として、2つのことをいつもお伝えしています。 ・フォアフット走法 ・床への接地時間を短くすること この2点です。 この2点がランニングにて故障しない走り方と考えています。 なぜか? それはフォアフット走法については、それが自然なことだから。 接地時間が短いのがいいとは、 接地時間が長ければ長いほど片脚支持の時間が長くなってしまい故障につながる可能性が高くなるから。 ・・・ いまいちピンとこないかもしれません。 では、この2つについて細かく解説していきます。 フォアフット走法 簡単に伝えると、 フォアフット走法は前足部、ミッドフット走法は足裏全体、ヒールストライク走法は踵から地面に接地する走り方です。 昔はヒールストライクがいいと言われていました。 私もそんな意識で「踵からついて・・・」と走っていたように思います。 でも、フォアフット走法がお勧めです。 ただ足が接地位置を意識することは必要ありません。 ・・・ん? ですよね。 フォアフット走法だからといって、あえて足を地面に接地することを意識する必要はないということです。 意識するのは、「姿勢」と「重心のかけ方」です。 ポイントとしてまとめると、 体の中心に近い位置に意識を持ち、足裏などの末端への意識はしないことです。 末端への意識は無駄な力が入ります。 私たちの動きは自動化されていて、無意識下で事細かい動きを行っています。 例えば、 棚の上にあるものを取ろうとした時、 意識するのは「棚の上のものを取ろうということ」。 場合によっては「よいしょ」の掛け声と共に背伸びしつつ腕を上げようと思うかもしれませんね。 でも体を反ろうと思ったり、腕を持ち上げようと肩を意識したり、指の第一関節を曲げて90度近くに行ってら第二関節を曲げて・・・と各関節の動きを意識することはありませんよね? そんなことをしたら棚の上にあるものをとるという行為に時間ばかりがかかってしまいますのもね。 実は私たちはたくさんのことを意識することはできません。 それは意識しなくても大抵のことは自動化されていているからです。 ですから、フォアフットで走ること行う時に、 末端である「足裏」に意識をもっていかないでください。 前足部を地面につこうというという意識は、足首の緊張を生みます。 足首の緊張を生むということは、円滑な動きの連動が損なわれてしまいます。 円滑な動きができないということは、その微々たる足部の緊張がつながり繋がって、足首周辺、ひざなどへの痛み、いわゆる故障へと繋がってしまいます。 地面につく唯一は足裏で、地面から反発した力をもらい前進していくので大切なところです。しかしながらどこから動かすのかについては議論となるところです。 私としては「ヒトの発育発達過程に沿って進める」ことを軸として考えているので、体幹を中心として腕や脚に力を伝える、体幹を中心として協調して動くということを大切にしています。 ですから、 意識したいところは体の末端ではなく、 体に近いところへの意識を優先するといい、と考えています。 3つの走り方 意識するのは、「姿勢と重心の位置」とお伝えしました。それを3つの走り方に当てはめてお伝えしますね。 これは体に対して足の着く位置の関係となります。 ヒールストライド走法 体より前方に足を出して地面に足を付ければ、自然と踵着地となります。体より前方に足をつくということは重心は足より後方ということが言えます。 ミッドフット走法 体より真下に近いけどやや前方につくと足裏全体で接地します。やや前方につくというのは、足関節の自然の角度がやや90度より鈍角なことによります。 フォアフット走法 重心が前方となり、重心の真下で足をついたときに前足部で接地します。 フォアフット走法を進める理由 地面からの衝撃を分散し、より反射を活用したエネルギー効率のいい走りであることと、脊椎動物の”走る”という特徴から考えるとここにいきつきました。 地面からの衝撃を分散し、より反射を活用したエネルギー効率のいい走り フォアフット走法は衝撃を分散し、疲れにくい走りが可能になると言われます。 ランニング中にかかる脚への負担は、着地時に地面から足に伝わる衝撃によるもので、前足部から着地することで、着地時にかかる衝撃を分散し、脚への負担を軽減できます。 また、足首の反射を使った走法になるため筋肉への負担が少なく、長距離でも疲労を抑えて走り切ることができます。 よい姿勢を保って前傾姿勢をとることで、重心を前方移動させることとなり体は自然とバランスをとってくれるので脚はどんどん前へと運ばれていきますから、エネルギーを無駄に使うことなく、ランニングスピードの向上にもつながるのです。 よく言われていることとして、 日本人は足首が柔らかい方が多いようで、足首の反射を活用するには足首が硬い方が効率的ということから日本人には向いていないと聞きます。 そういうこともあぅて、 「無理をしてフォアフット走法を続けてしまうと、ふくらはぎやアキレス腱に大きな負担がかかる」という方もいますが、そんなことないな、と個人的には思います。その原因にはいくつか考えられることがありますのでのちほど後述しますね。 それよりもヒールストライド走法の体への負担を考えた方がいいでしょう。 ヒールストライド走法のデメリット 踵から着地し、つま先で蹴り出すのがヒールストライク走法ですが、ブレーキをかけながら走るとよく言われています。 ブレーキをかけて走るということは非効率ということです。 ランニングエコノミーといっていかにして効率的に走ることができるかという観点からもったいないと言わざるを得ません。 また踵からの着地は走りにブレーキをかけるため、膝への負担が大きいです。 フォアフットは体の真下で接地するので、足首、膝、股関節で衝撃吸収を効率的に行えますが、ヒールストライクは足が体の前方にあることからフォアフットほど効率よく衝撃を吸収することができません。 他の走法に比べて地面を蹴るまでに時間がかかるため、スピードの面では不向きとも言われています。 脊椎動物全般の”走る”という特徴から考える これは速く走る動物とゆっくり歩く動物の特徴を見ていくと見えてくるものがあります。 足指型の「チーター」と足裏型の「人」、ひずめ型の「牛」と分類されます。 さて、何型が速く走れるでしょうか? はい、答えは「足指型」です。 これは踵をつけない走り方をします。 踵をつけて歩く足裏型のヒトは速く走るときには足指型になります。 歩く時と走るときでカラダの使い方が変わる万能型なのがヒトなのです。 ・・・ すみません。 ここを書いていくと時間がかかるため、これはまたの機会に伝えますね。 走り方について 簡単にわかりやすくお伝えしますね。 スタートまで行う工程は3つです。 ①姿勢を良くする ②その場足踏みをする ③重心を前方に倒して(前傾姿勢)進む 走っている時に意識して行うことのポイントは以下となります。 〇姿勢と前傾を維持すること 〇走るスピードに関わらず「180ピッチ/1分間」とすること。 〇地面への接地時間を短くする(脚を速く引き上げる) スピードが上がると自然にピッチは上がりますが、ゆっくりだとピッチは遅くなります。でも、ゆっくりでも「180ピッチ/1分間」以上を意識的に行うことが大切です。 前傾姿勢で走るということは、体は「倒れ込む」ということなので、倒れないようにするために足を出す、いや倒れないために足が出てしまうといった方が適切でしょう。そしてそれを維持していくためにはある程度ピッチを上げなければなりません。 そのピッチの目安が「180ピッチ/1分間」。 そしてスピードを出さないで前傾姿勢を保ちながら前進していくためには、脚の引き上げが必要となります。 どういうことかというと、 前傾姿勢(倒れ込み)+180ピッチ/1分間だと、ある程度スピードに乗らなければなりません。 でもスピードが出すぎてしまうと呼吸も苦しくなり長く続けることができません。 ゆっくり走る時の対策としては、脚の引き上げを早くすること。感覚的には「もも上げ」ですね。 まとめ もう一度走り方をまとめます。 ①姿勢を良くする ②その場足踏みをする ③重心を前方に倒して(前傾姿勢)進む 走っている時に意識して行うことのポイントは以下となります。 〇姿勢と前傾を維持すること 〇走るスピードに関わらず「180ピッチ/1分間」とすること。 〇地面への接地時間を短くする(脚を速く引き上げる) 今回は私自身の治療者として運動指導者として、そして実践者としての経験を踏まえて”故障しない走り方”という視点でお伝えしました。 トレイルランナーとしての実践を踏まえています。 ただし私の身体(関節)形成、筋力、持久力などで実践してきたことを述べておりますので、すべての人に当てはまることではないでしょう。 また故障をしてなかなか故障が癒えず、思いっきり走れないという人は、走り方を変えるしかありません。 だって走り方に問題があるから体がおかしくなるんですから。 故障してしまう走り方をしているから、病院や治療院に行ってよくなっても、再び悪くなりを繰り返しているのではないでしょうか。傷が癒えてないから再び痛くなるのではなく、”痛める走り方をしてるから痛める”にすぎません。 ちなみに、 フォアフット走法で足を痛めた、という方もいることでしょう。 フォアフット走法を試してうまくいかなかった場合の対処法 「試してみて痛めてしまった」 そんな方は、「足の前足部を付けなきゃ」という末端への意識が高くなりすぎたからかもしれません。 お話しした通り、 末端に意識をして走るということは、足という関節の多い部分を固めてしまうことになりかねません。衝撃を吸収できる構造である足部の円滑な衝撃吸収能力を低下させてしまうことにもなってしまうのです。 ですから意識は地面に接地する足という末端ではなく、体幹部分の意識を高めて「結果としてフォアフット」になっている、ができるといいでしょう。 何度でも言いますが、足のつき方に意識を持っていく必要はありません。 またなぜフォアフットがいいのか? その場足踏みでジョグをしていただければ理解できるでしょう。 やってみましたか? 足の前足部で着地していますよね。 無意識に行って、踵着地で足踏みジョグをする方はいないと思います。 だってこれが 体を効率的に使いこなすための、 私たち脊椎動物ヒトが持っている機能なのですから。 その場足踏みジョグから体を前に倒し、倒れないようにして脚を前に出し、それを繰り返すことによって前進していくのです。 まとめのまとめ いかがでしたか? 走り方にメスを入れてみて、走ることを試し、走ることを堪能していただくこと、それは今後のランニングライフをより楽しくしていくことに繋がっていくことでしょう! 今回の故障をしない走り方、 あくまでも持論ですが 気持ちよく走りたい方の参考になればです。 今日も最後までありがとうございました!
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