2023/9/27

機能的腰痛② 椎間板性腰痛の症状と対処法

4つの機能的腰痛②

椎間板性腰痛について

 

 

 

こんにちは!馬場です。

私、馬場は”自分で自分の健康を守る”「セルフコンディショニングの普及」をし、よりやりたいことをやり続けられる人を増やしていく啓蒙活動をしております。
 
私が主宰しているからだぷらす大学セルフコンディショニング研究室では、姿勢改善や動作改善に必要な筋肉それに関わるエクササイズについて、行ったことを発信しております。
 
今回は機能的腰痛②の椎間板性腰痛について解説をしていきます。



 

椎間板性腰痛

こんな時に痛い場合は椎間板性腰痛を視野に入れてください。

・中腰での作業時に痛い
・重い荷物を持ち上げる動作時に痛い
・くしゃみすると響く
・長時間の座位で痛くなる(車の運転デスクワークなど)
・スポーツ活動

上記の共通点は腰を丸めている状態であることです。

特に腰の反る動きはじめに痛く、次第に痛みが治まるようなケースでは椎間板が痛みを発している可能性が高くなりますし、上記のような動きでの痛みがあり、そして腰の中心(背骨)に痛みを感じる場合は、椎間板性腰痛を疑います。

 

今回取り上げるのは、前かがみ時の腰痛で「背骨に痛み」がある状態についてです。

ただし、前かがみで腰が痛くなる症状は多いのが椎間板性腰痛であって、
前かがみの腰痛=椎間板性腰痛ではないので、きちんと評価して痛みを出している組織はどこなのか?を絞ったうえで行っていただければです。

以下のタイトルのブログを読んでいない方は一度目を通してください。

手を出せる腰痛と出せない腰痛について

腰痛の診かた ~痛みを発している組織を絞ること~

 

 

では「椎間板性腰痛」についてお伝えしていきます。

 

 

椎間板性腰痛とは

腰椎の椎間板性腰痛とは、椎間板が痛みの原因となって起こる腰痛のことです。

椎間板は過度に圧迫されたり、捻られたりすることで、椎間板の外側の線維輪が損傷してしまいます。

しかし、本来椎間板にはあまり神経が通っていません。
正常では、線維輪の外側と終板にのみ神経が通っています。

ということは、椎間板が傷ついても痛みを感じることはあまりないはずです。

ところが、線維輪が損傷してしまうと、その箇所を修復しようと、神経を伴って血管が入り込んできます。このことで、本来神経の通っていなかった線維輪の内側にも神経が入り込み、さらに椎間板にストレスがかかることで痛みを感じるようになってしまいます。

 

 

では、どのような時に椎間板にはストレスがかかるのでしょうか?

以下の表を見てください。

ここからわかることは、椎間板にかかる負担(椎間板内圧)は立位よりも座位で負担増、さらに腰を曲げる動作で負担増ということです。

もう少し細かくお伝えすると、
立位姿勢の椎間板内圧が100とすると、座位姿勢は140と立位より1.4倍座位の方が腰の負担が強くなります。さらに、猫背姿勢または座位での前かがみ姿勢で1.85倍の負荷増、さらに腰を曲げての持ち上げ動作などは、立位の2.75倍の腰への負担になっています。

 

これらのことからも分かるように、「腰を曲げる」「前にかがむ」という行為が椎間板内圧を高め負担がかかることがわかります。

 

パソコンやスマホ作業、家事などで"猫背・前かがみ"の姿勢や動作が多いですね。

猫背や前かがみの姿勢は、腰が丸まった姿勢、つまり腰椎は後方へ弯曲し、骨盤が後側へ傾いた状態になります。

 

背骨と背骨の間にはクッションの役割を担う「椎間板」があり、前かがみ姿勢なることにより、椎間板の中央にある「髄核」という組織が後ろへずれる方向に負荷がかかります。

この負荷が過度にかかりすぎると、髄核が線維輪を通過して後方へ飛び出してしまう「椎間板ヘルニア」が引き起こされてしまうのです。

 

 

前かがみ姿勢で、椎間板内の髄核が中央ではなく後方に移動してしまっている状態はよくありません。

もちろん後方に移動しているだけでなく前方での側方でもよくありません。髄核が中央に位置できるようにしておくのが椎間板への負担を分散させる賢い考えです。

 

この状態をリセットするエクササイズが今回紹介する「これだけ体操®」です。

非特異的腰痛の予防・改善が期待できる治療法の一つに、運動療法があります。腹筋運動や背筋運動、下半身のストレッチなど、さまざまな種類が提唱されていますが、忙しい現代人がモチベーションを保ちながら毎日継続させることは、容易ではないでしょう。しかし、時間も場所もとらずに実践できる手軽な体操があります。それが「これだけ体操」です。
「これだけ体操」は、長年にわたって腰痛の臨床と研究に取り組んでいる講座長、松平浩がマッケンジー法のコンセプトを基に考案し推奨しているシンプルな体操です。方法は簡単で、ページ上部に示したとおり、猫背姿勢が続いたあとに、腰を1~2回、後ろに反らしたりするだけなので、仕事や家事の合間に短時間で行うことができます。

腰の鈍痛や違和感は、椎間板の中にある髄核がずれたことで生じることがありますが、不良姿勢が続いて髄核がずれたまま放置されると、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアになるリスクが高まります。「これだけ体操」を習慣化すれば、このような髄核のずれに伴う腰痛の悪化を未然に防ぐことに役立ちます。

デスクワークや洗面をはじめ、日常のさまざまな場面で前かがみの姿勢をとりがちですが、不用意に前かがみの姿勢をとると、髄核が後ろにずれるなど椎間板内の環境が悪くなる可能性があります。同じ姿勢が続いたり、重い物を持ったあとに少しでも腰に違和感を覚えたら、『借金(髄核のずれ)がちょっと増えたので、すぐにその場で借金を返す(ずれを戻す)』と髄核の動きをイメージし、『これだけ体操』を行う癖をつけるとよいでしょう。

慢性腰痛の患者には、治療とともに「これだけ体操」を日々のセルフケアとして行うよう生活指導することが有効です。その予防効果は、高齢者施設で働く介護職員を対象にした調査研究においても実証されており、「これだけ体操」を習慣化した群は、しなかった群と比べて、1年後の腰痛状況が明らかに改善しました。

「非特異的腰痛の予防と改善には、活動的な生活習慣に、腰の不具合を正す『これだけ体操』を取り入れることをお勧めします」

運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座より引用

 

 

正しい姿勢での座位や腰に負担が加わらない動作など、椎間板内圧を減らす方法を身に付けることが、腰痛軽減・予防に重要です。

上記に書かれているように、椎間板内の髄核の位置を中央に戻す行為が大切です。前かがみが多い日常生活からも日々のケアとしてこれだけ体操®は習慣づけて行えるといいですね。

ただし、行ってみて不快な感じが増す場合は、無理せず中止を促してください。

専門家への相談をお勧めします。

 

 

今回取り上げたのは、前かがみ時の腰痛で「背骨に痛み」がある状態の「椎間板性腰痛」についてです。

背骨に痛みだけではなく腰に広く痛みもある場合は「筋・筋膜性腰痛」も考えられます。

腰痛は複数の問題が混在している場合が多いので、今後ブログで上げていく4つの機能的腰痛を参考にして、1つずつ解消していただければです。

 

4つの機能的腰痛

椎間関節性腰痛
椎間板性腰痛
仙腸関節性腰痛
筋・筋膜性腰痛

 

そのほかの腰痛

椎間板ヘルニア
脊柱管狭窄症
腰椎分離すべり症

 

 

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