2024/4/17

体の歪みで原因で発症するランナー膝(腸脛靭帯炎)の話 ~故障の原因を運動連鎖から考えてみる~

体の歪みで原因で発症するランナー膝(腸脛靭帯炎)の話
 
~故障の原因を運動連鎖から考えてみる~
 
 
 
 
ここのところランナーの膝の外側の痛みである腸脛靭帯炎を診る機会が多く、
 
この症状は痛めたばかりでしたら患部にアプローチするだけでも成果の出る症状です。
 
 
ただ他院で痛みが引かず来院されるという慢性的な症状の方には、
 
痛みのある所に負担をかける間違った動きを変えることで症状を鎮静させています。
 
 
今日は膝の外側の痛みであるランナー膝(腸脛靭帯炎)を例に、
 
運動連鎖による症状を分析、解説していきます。
 
 
 
運動連鎖とは
 
一部の関節を動かすと、それに続いて隣接する関節にも動きが繋がって(連鎖して)起こり、様々な場所に相互に影響を与え合います。
 
つまり、体の一部の関節が動くことで、離れた関節にも影響が及ぶということです。
 
体のどこかに痛みがある、実はその痛みは全く別の場所が原因という可能性もあるのです。
 
 
 
その運動連鎖ですが、
足の影響が上の関節に向かって関係していく「上行性運動連鎖」
骨盤の影響が下の関節に向けて関係していく「下行性運動連鎖」があります。
 
 
今回は体の上の関節の位置や動きが下の関節に影響を及ぼしていく「下行性運動連鎖」が体の及ぼす影響について解説していきます。
 
 
 
 
 
下行運動連鎖とは
 
下行性運動連鎖は骨盤の状態に影響されます。
 
 
骨盤前傾では
いわゆる反り腰である「骨盤前傾」となっていると、
 
股関節は曲がり骨盤に対して内側となり内ひねりな状態となります(股関節屈曲・内転・内旋)。
 
膝関節はしっかりと伸び内側に膝が入ります(膝関節伸展・外反)。
 
足関節はつま先状態となり踵が内側に倒れるようになります(足関節底屈・回内)。
 
 
 
骨盤後傾では
また骨盤が後ろに倒れて腰が丸くなる「骨盤後傾」では、
 
股関節が伸びももが外側に広がりつつ外ひねりした状態となります(股関節伸展・外転・外旋)。
 
膝関節は曲がりいわゆるO脚のように膝は外側に位置するようになります(膝屈曲・内反)。
 
足関節はつま先を上げ土踏まずがしっかりと存在するように外荷重気味となります(足関節背屈・回外)。
 
※細かくはもっとありますが、今回はわかりやすくこのような表現にとどめておきます。
 
 
 
コアが抜けた際の体の反応
コア(体幹)は骨盤の動きに大きく関わるため、骨盤から連鎖が起こる下行性運動連鎖ではコア(体幹)機能の衰えにより左右されます。
 
 
下行性連鎖においての影響としては、
デスクワークによる座り姿勢が多いこと、また在宅勤務の増えたことにより通勤する必要がなく立つことが減ったこともあり、骨盤が後ろに傾く(後傾)になりやすいことが挙げられます。
 
 
もちろん座り姿勢がいい状態ならば問題ないのですが、多くの方は背もたれによりかかったり、猫背気味だったりして骨盤が後傾したままなことが多いのではないでしょうか。
 
 
そんな骨盤が後傾した状態で歩けば、股関節は外ひねりとなり内旋しにくくなり、結果、膝や股関節の障害にも繋がります。
 
 
骨盤が後傾になると膝関節は屈曲内反するため階段昇降で膝が動揺しやすくなり、膝変形性膝関節症のリスクが高くなります。
 
 
またランニングではその動揺性が膝周りに過度な緊張を及ぼします。
 
 
過度な後傾になるとO脚になりやすく脚のラインも崩れやすくなります。
 
 
 
 
 
右膝の腸脛靭帯炎の場合
 
ランニングで右膝を痛めている場合(ランナー膝/腸脛靭帯炎)、
膝だけを治療してもよくならないこともあるでしょう。
 
こんな時には全身を整えるという視点が必要です。
 
 
例えばこのような姿勢だと(スウェイバック姿勢)、
 
 
足に対して骨盤が前方へスライドし、上半身は後方へ倒れているので
 
上半身の重心の中心であるみぞおちは床からの垂直での位置関係から見ると、骨盤の後ろに位置するようになります。
 
 
このようになると
頑張らなくてならなくなるのはももの前側の筋肉です。
 
これだけでも膝に大きな負担となります。
 
具体的な症状としては、小中学生に多いオスグットシュラッター病のような膝の前側の症状があげられます。
 
 
 
さらに以下の歩行時の写真のように、
左の写真は右足に荷重した際、みぞおちの位置が体の中心よりみぞおちが左側に位置していると(歪んでいると)、それを支えるのは右側のももの外側の筋肉になります。
 
 
右側のももの前側と外側に負担がかかれば、腸脛靭帯に負担がかかり続ける走りとなり、
結果として下り坂を駆け下りた時に激痛となって表れてくる、そんなストーリーもあることでしょう。
 
 
片方の足に負担をかけ続けていれば当然膝への影響は多くなるということなのです。
 
 
 
もし左右のももの外側や前側の張り感に左右差があったら、もしかしたら今回のような姿勢の歪みかもしれません。
 
 
特にランニングは左右の足を交互に動かし続けるので、そんな歪みが蓄積して痛みとなって表れてきます。
 
 
「いつもと変わらない練習をしているのに痛みが出てきた」ならば、このような視点は必要ですね。
 
 
 
 
「間違った動きを変える」ことで故障を繰り返さない体にして、
これからも楽しいランニングライフを満喫していきましょう!
 
 
 
 
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