2024/4/25

シンスプリントの治療するポイントについて①~患部へのアプローチ~

 
シンスプリントの治療する
ポイントについて①
~患部へのアプローチ~
 
 
 
 
 
シンスプリントとは 
 
ランニングやジャンプを繰り返したり、
強力な足首の動きを繰り返した時に
下腿(すねの骨)の内側の下に多く生じる筋肉や腱の炎症性障害です。
 
詳しくは以前ブログを書いていますのでそちらをご確認ください。
 
 
 
 
シンスプリントの治療するポイント
 
①後脛骨筋と長趾屈筋とヒラメ筋の動きの改善
 
②ニーイントゥーアウトとなる動作の改善
 
 
今回は後脛骨筋と長趾屈筋、ヒラメ筋の動きの改善について解説していきます。
 
 
 
 
後脛骨筋と長趾屈筋とヒラメ筋
 
 
後脛骨筋は
筋肉と腱からなっており、筋肉はふくらはぎの奥から始まって、腱になりながら足へ向かいます。
 
腱は内果(うちくるぶし)の下を通って、足の内側の骨(舟状骨)に付着します。
 
この筋肉は足のアーチ(土踏まず)を引き上げる役目があり、荷重時に足や身体を安定させたり、着地時の衝撃をやわらげる働きがあります。
 
ランニングやジャンプ、ウォーキングなどスポーツや長時間の立ち仕事で、これらの筋腱に負荷がかかります。
 
 
 
長趾屈筋は
足の指からふくらはぎの内側につく筋肉です。
 
足の指を曲げたり、足首を内ひねりしたり蹴る動きをします。
 
 
 
ヒラメ筋は
アキレス腱からふくらはぎの膝下の内側につく筋肉です。
 
この筋肉はつま先立ちなど地面を蹴る動きをします。特に膝を曲げている時の蹴り動作で働きます。
 
 
 
後脛骨筋と長趾屈筋の2つの筋肉は、
お互いに内くるぶしの後ろを通りふくらはぎの内側で交差します。
 
長趾屈筋は足の指と足首に関与しているので過重労働されやすく緊張しやすい(硬くなりやすい)筋肉です。
 
そのため後脛骨筋と交差するところで長趾屈筋の緊張により圧迫されつつ、走ったりと負担をかけ続けることで、損傷をしていきます。
 
長趾屈筋とヒラメ筋も同様です。
後脛骨筋と長趾屈筋の交差部より上に痛みがある場合は、ヒラメ筋が関与しています。
 
 
 
 
治療        
 
治療の流れとしては、この2点です。
 
①後脛骨筋と長趾屈筋とヒラメ筋の動きの改善

②ニーイントゥーアウトとなる動作の改善
 
 
 
①後脛骨筋と長趾屈筋とヒラメ筋の動きの改善

動きの改善①
「動きの改善」とは専門的な表現だと「滑走障害の改善」です。
 
では滑走障害とはどういうことなのでしょうか?
 
 
滑走障害とは、
各筋肉がくっつきあってしまい、筋肉同士が適切に滑りあわないという動きの制限のことを言います。
 
筋肉などの組織間がくっつきあってしまうことによって、動きの制限がおこり、くっついているところは動かなく、くっついていないところは過度に動き負担を強いられて限界を超えると「損傷」となっていきます。
 
 
治療としては、筋肉同士の組織間がくっつきあってしまって動きの制限となっている「滑走障害」を改善していきます。
 
 
特にシンスプリントの場合は、
多くは後脛骨筋と長趾屈筋でくっつき合い(滑走障害)が起こりますので、まずはここのくっつき合いを剥がして(リリース)いきます。
 
 
当院では、
組織間リース という手法を用いて筋肉が本来持つ動きを蘇らせていきます。
 
これで痛みは軽減します。
 
しかし、微細に損傷してしまっている組織は修復されたわけではありません。
 
患部に負担をかけないで修復していく時間も必要不可欠なのは頭に入れておくべきポイントです。
 
 
 
動きの改善②
筋の正しい収縮パターンが大切です。
 
長趾屈筋は足指の動きと足首の動きに関わるとお伝えしました。2つの関節に関わる筋肉は過重労働筋なので筋肉は硬くなり緊張してしまいます。
 
膝の外側の痛みである腸脛靭帯に関わる大腿筋膜張筋や肉離れの起きやすいハムストリングスも2つの関節に関わる筋肉です。
 
これらの筋は過剰に働いてしまうことを軽減させる必要があります。
 
 
 
負担を軽減するには
「虫様筋」という足指の根元の関節を動かす筋肉がさぼってしまっている可能性が高いので、この筋肉のエクササイズを行うといいでしょう。
 
この虫様筋が働くと右のように足の指は曲がります。うまく使えていないと左のような曲がり方となります。
 
(写真後日掲載)
 
虫様筋のエクササイズ動画は以下をクリックしてください。
https://youtu.be/pWxMAi0zNGw
 
 
 
まずはここが治療の第一ポイントです。
 
ここまでシンスプリントの患部へのアプローチについて書いてきましたが、動画が完成した(2024/9/21)のでご覧ください。
 
次回は「ニーイントゥーアウトとなる動作の改善」について徒手的な治療アプローチと運動による動作改善についてお伝えしていきます。
 
 
 
 
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