2024/8/21

間違った動きを変えて症状にアプローチする~短距離選手のふくらはぎの痛み~

 
間違った動き変えて症状にアプローチした症例
~短距離選手のふくらはぎの痛み~
 
 
 
 
今回紹介するのは、
「短距離選手のふくらはぎの痛み」についてです。
この症状に限らずですが怪我を除いた「痛み」という症状は患部に負担をかけ続けた結果、です。
かけ続けている負担を取り除かなければ、根本的に良くはなりません。
 
今回の症例は、
患部に負担がかかり続けていた”原因”を改善し、患部への継続的刺激を緩解させました。
 


主訴        
 
陸上競技100mの短距離選手。 
 
症状は右ふくらはぎが大会に出て全速力をするとつることが多く、痛みを引きずりしばらく走れなくなるとのこと。
 
そのため全速力で走るのが怖いというのが主訴でした。
 
 
 
 

間違った動き    
 
骨盤をみると左荷重に変位していましたが、動いてもらうと右脚を頼りにする使い方をしていました。 
 
 
後ろに反る動作では、上半身は右に傾き右脚への荷重が顕著。
 
右回旋に比べて、左回旋時の骨盤は右にスライドし右脚荷重が顕著。
また腰の反りも過剰でした。腰痛なども起こりやすくなりますね。
 
・片脚スクワットでは、 左脚を行うとは骨盤が反対側に落ち込む、またグラつき、不安定でした。
右は安定して行えてました。
 
 
また腰が痛くなることが以前あったようなので診てみると、
 
・腰部は左の張りが強い 
・椅子座位での回旋は左優位
・座位での荷重側は左
 
 でした。
 
 一日の中で一番長くしている姿勢である座位では、左荷重なので骨盤は左荷重になる歪みがあり、 動くと上半身の質量中心が右に変位すること、また左脚の片脚スクワットの不安定さから右脚を頼りにした走りとなってしまった結果の症状と考えました。
 
 
 
【少し細かく】
上半身質量中心とは、第7胸椎~第9胸椎あたりで、剣状突起(みぞおち)の付近にあり、 上半身質量中心の側方変位がある場合(今回は右に変位)、変位側である右脚への荷重量が上がります。
すると、変位側(今回は右脚)への負荷が生じやすくなります。
 
 
 
 
アプローチ     
 
徒手で胸郭、骨盤をリリース。
 
患部としては、
SLRにて健側と比べて、ステッチ感より違和感が膝窩からふくらはぎにかけて出現。坐骨神経に絡む組織をリリース(組織間リリース含む)しSLRでの違和感を解消。
 

運動処方は、
姿勢改善として、
アシスティックを使っての「腕4」と「」。

左脚荷重の安定性を高めるために「ペルビックリフト」と「スプリットスクワット」で、荷重感覚を入れつつ、片脚立ちの安定性を高めました。
 
 
 
 
経過        
 
1週間後の来院時には痛みなく走れました、と報告と受けました。
 
間違った動きである「重心が症状部に偏る使い方」を修正し、痛みなく走れたという結果により、
今回の推測・分析は正しかったということですね。
 
ランナーの坐骨神経痛の多くはこのパターンです。
痛めている方に痛いのに荷重してしまう使い方をしてしまっているんですね。
 
以下、施術、運動処方による動きの変化です。
 
 
 
 
当院では運動の処方箋を出しています。
 
エクササイズというお薬(処方箋)ですが、こういった自分の健康は自分で守る”セルフコンディショニング”が当たり前の社会にしていきたいと、
 
動画を撮り、動きの癖などの現状を知ってもらい、
 
そして体の変化を実感していただける取り組みをしています。
 
 
 
この取り組みは、
 
同じ症状を繰り返さないためにも、
 
またもし仮に症状が再発したときに処方したエクササイズを行うことで、
 
症状の鎮静化を自分自身でできることにもつながりますね。
 
 
 
不健康寿命を伸ばす唯一の方法は運動です。
 
間違った動きによる痛み (代償動作)は代償動作改善することでよくなります。
 
そのためにはセルフコンディショニングは必要不可欠なんだよね。
 


でも姿勢や動きが歪んでいるのって分かりづらいから
 
POSLOGによる代償診断をして”症状の原因の見える化”をしています。

 
 
 
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