2023/8/7
|
|
腸脛靭帯炎(ランナー膝)になったときの復帰の目安 |
|
こんにちは 馬場大輔です。 膝の外側の痛み、腸脛靭帯炎には私もランニングを始めた当初に経験しました。 ハーフマラソンのレース中に下りでスピードアップしようとした時、激痛に見舞われました。 そこからは歩くことでしか前進することができず、ゴールまでしんどくそして長かったことを覚えています。 それから数年は下りはトラウマとなっていて、「あんな痛い思いはしたくない」と下りは無理せずゆっくり走っていました。 今でもトレイルランニングの下りは、少し引きずっているかもしれません。あまりスピードを上げることができません。 やはり「痛いこと」っていやですよね。 今日はそんな腸脛靭帯炎に限らずですが、 ランニング障害になってしまったときの、 ランニングをする再開する目安などについてお伝えしていきます。 【ランニング障害を患ってしまった際の復帰の目安】 通常腸脛靱帯炎を患ってしまうと多くの場合、 1週間ほどの安静により日常生活での痛みは回復してきます。 しかし走ると再び痛くなったり、また何らかの原因により長引いてしまう症状も多々あります。 そんな長引いてしまっている症状に対して、一つの目安としていただければです。 ◇ランニング障害を患ってしまった際の復帰の目安 ①炎症所見ありの場合(熱感あり)は、炎症が軽減するまでは運動休止。 ②炎症所見なし、運動時痛ありの場合は動作時痛の出ない範囲での運動は可。 ③炎症所見、圧痛、運動時痛なしの場合は運動を許可する。 ※炎症所見とは 発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害の5つの徴候のことを指します。 ここで言えることは、関節の位置関係が整い、動作も負担のかからないような使い方ができるようになったことが前提となります(負担のかからない使い方とは?後述します)。 そして走り方に問題がある場合は修正も必要です。 その上で「圧痛」と「運動時痛」が一つの走るポイントとしての尺度となります。 「圧痛」 の有無と 「運動時痛ありの場合は動作時痛の出ない範囲での運動は可」 ココが大きなポイントです。 痛みの出ない範囲で 痛くなる動きの改善として筋力トレーニングからはじめます(後ほど詳しく解説します)。 ランニングも少しずつ距離を伸ばしていきます。 地道な作業となります。 あせればぶり返す恐怖がありますから慎重に進めていく必要があります。 それでも距離を伸ばすと痛い! このような場合には二つ考えられることがあります。 一つは、セラピスト側の問題として考えると、 「改善しきれていない」のかもしくは「見逃している」。 もう一つは、ランナーの問題として考えると、 「負担のかかる走り方」となります。 よくある見逃しとしては、 セラピストが導いていくところとしては、 関節の位置関係を整え、痛いところ(患部)へ負担のかからない状態とすることです。 関節の位置関係が整うこととは、 セラピストが他動的に行う可動性が、痛くない方と同様となること が最低条件と私は考えています。 これは痛くない方も問題がないわけではないですから「最低条件」とうことです。 大まかに足部、足関節、膝関節、股関節、骨盤の確認は必要ですが 今回の腸脛靭帯炎の場合は 特に股関節と膝関節、足関節の動きはしっかりと引き出したいですね。 では、自分自身で確認する方法について解説していきます。 【しゃがみ込み】 ![]() ・左はきれいにしゃがみこんでいます。 ・真ん中は膝に対して足先が外側を向いてしまっています。 ・右はしゃがみ込むことができていません。 ここで言えることは、 しゃがんだときに足先が膝に対して外側に向かってしまう場合は、「下腿外旋位」という状態になります。 この状態はランニングでの足接地時に膝が内側に入りながら走っている可能性がある状態です。 こうなると、 腸脛靭帯は強い緊張が生まれ、外側へのテンションがかかるため、 膝の外側を擦るような刺激となるのです。 右側の写真はしゃがみ込むことができないので足首を反る動作に制限があります。 【母趾球に荷重して行うランジをできるようにしよう】 エクササイズとしては母趾球に体重をかけて行うランジをお勧めしています。 ただ足の親指の付け根である母趾球に荷重してのランジは、なかなかの難しさのため、まずはスクワットからマスターしてみてください。 O脚の方の腸脛靭帯炎の場合は足の外側荷重がいきがちですので、母趾球に荷重するのがうまくいかない方が多いです。 これがしっかりとできることで母趾球を使う感覚を得ることができます。 上記ができている方は、 残る問題は「負担をかける走り方」ということになります。 以下の記事では速いスピードの練習から始めることを推奨しています。 膝関節30度での膝の外側での負担を回避するためのものと考えられます。 復帰の注意点 局所の圧痛が消失し、痛みを伴うことなく筋力訓練が行えるようになったら、ランニングを再開する。 始めはトラックや芝生などクッション性の高い接地面で練習する。プログラムとしては、早いスピードの練習から始め、徐々にスピードを落とし距離を伸ばしていく(通常の損傷の復帰プログラムでは遅いスピードから始め、徐々にスピードを上げていくので、多くのリハビリスケジュールとは逆になる) また、始めは1日か2日おきに練習を行い、痛みの出ない範囲で練習間隔、強度を上げていく。 復帰初期にはトラック練習では同じ方向ばかり走らないことや、テニスやバスケットボールなど スポーツを練習に取り入れるなどの工夫も重要である。 さらに、症状が安定するまでは、下り坂の練習は避ける。 スポーツ外来(整形外科) | JCHO東京山手メディカルセンターより引用 速いスピードで走ることは、膝の関節角度の影響により負担がかからないこともありますが、スピードを上げることで足の接地が変わることもその一つと考えています。 それは速く走ることで足の接地はフォアフット走法になりやすいからです。 足の接地には前足部での接地である「フォアフット走法」 足裏全体でつく「ミッドフット走法」 踵から接地する「ヒールストライク走法」 それぞれメリットデメリットはありますが、私はフォアフット走法を勧めています。 走り方については、次回お伝えしていきます。 今日もありがとうございました! |
|