2023/10/3

機能的腰痛④ 筋・筋膜性腰痛の症状と対処法

 
 

4つの機能的腰痛④

筋筋膜性腰痛について

 
 
 
こんにちは、馬場です。

私、馬場は”自分で自分の健康を守る”「セルフコンディショニングの普及」をし、よりやりたいことをやり続けられる人を増やしていく啓蒙活動をしております。
 
私が主宰しているからだぷらす大学セルフコンディショニング研究室では、姿勢改善や動作改善に必要な筋肉それに関わるエクササイズについて、行ったことを発信しております。
 
今回は機能的腰痛④の筋・筋膜性腰痛についてご自身でもできる対処法も含めて解説をしていきます。
 
 
 

筋・筋膜性腰痛

こんな時に痛い場合は筋・筋膜性腰痛を視野に入れてください。

・重いものを持つ
・股関節の屈曲や伸展時
・体幹の前屈や後屈時
・中腰作業
・長時間の立位や座位


動きはじめに痛く、動いているうちに楽になること場合は、まずは筋・筋膜性腰痛を疑います。持続的な筋収縮より筋内圧が高まり、痛みを発します。腰部の広い範囲に痛みがあり、痛みの場所を示すときは指ではなく手のひらで示します。
 
 
 
筋・筋膜性の腰痛は椎間関節性腰痛や仙腸関節性腰痛などとと併発することも多い腰痛です。
腰部の筋肉の緊張により腸骨稜あたりに出る痛みである、上殿皮神経による痛みもありますので、
 

きちんと評価して痛みを出している組織はどこなのか?を絞ったうえで行っていただければです。

以下のタイトルのブログを読んでいない方は一度目を通してください。
手を出せる腰痛と出せない腰痛について
腰痛の診かた ~痛みを発している組織を絞ること~
 
 
 
 
筋・筋膜性の腰痛とは
 
筋・筋膜性腰痛とは、筋・筋膜が痛みの原因となって起こる腰痛のことです。
筋肉はわかると思うので、筋膜について簡単に解説をしていきます。
 
筋膜とは、専門的には最近では「ファシャ」と呼ばれるものです。
鶏肉の皮をめくるとみえる白っぽい薄皮のようなものがイメージしやすいでしょう。
 
実際には皮膚と筋肉の間や筋肉の間、さらには内臓や脳の中にもあります。
隙間を埋めたりするもの、と考えるとよいでしょう。
 
ファシアの中でも、最も浅いところにあるのが皮膚と筋肉の間にある「浅層ファシア」や「深層ファシア」です。
 
圧迫や締付け、炎症などが起こると、これらのファシアが硬くなり、皮膚や筋肉の動きが制限されます。
これにより腰部の動きに制限がかかり、働きすぎる筋肉は過剰に働かなければならなくなり痛みを発します。また表層に走行する神経がこのファシャとくっつき合うことにより、痛みを発するようになります。
 
また筋肉は、働きすぎて過緊張になることで、筋内圧が上がり神経を圧迫することで痛みを発します。
 
 
 
 
筋・筋膜性腰痛の割合

筋・筋膜性腰痛の患者数は若齢者から高齢者まで幅広く、
どの施設で働いていても腰痛の30%の方が該当しています。
ただし、他の3つの機能的腰痛と併発していることも多いのが特徴です。
 
 
 

なぜ筋・筋膜性腰痛になるのか?
 
中腰で腰を丸くしての持続的な作業や
局所の持続的圧迫などによるファシア(筋膜)の癒着による影響、
または働きすぎの筋肉、働きづらい筋肉といった筋バランスの崩れ。

またほかの3つの機能的腰痛が発症し、それをかばうために筋肉が過緊張し2次的に併発することも多いのが特徴です。
 
 
 
 
痛みの場所
 
 
腰部の広い範囲に痛みがあり、痛みの場所を示すときは指ではなく手のひらで示します。
ここが痛い場合は筋・筋膜性腰痛を疑います。
 
 
 
 
筋・筋膜性腰痛のタイプを見極める
 
痛みの有無を確かめることで、どのようにすることで楽になるのかを理解することができ、リハビリの方針を決めることができます。
 
立位での前かがみと後ろに反る動作で痛みの有無を確認します。
 
 
◆筋膜(ファシア)の癒着が原因による痛み
浅層ファシアは表層の筋膜なので軽くタッチして皮膚を動かし、前かがみ反るの動作をして確認をする。
深層ファシアは、手で示した痛みの場所の皮膚を軽くつまみ、前かがみ反るの動作をして確認をする。
浅層から行い、深層という順番で行います。
 
前かがみと反る動作の両方で痛みがなくなる場合は、筋膜の癒着が原因と考えられます。
 
また前かがみと反る動作のどちらか一方の動きで痛みがなくなり、でも反対の動きでは痛みが残る場合は、痛みの残る動作で痛みがなくなる疼痛抑制動作をし、有効なアプローチを探ります。
 
 
◆筋肉過緊張による痛み
立位にてお腹に力を入れてもらい、持続的に収縮する。または少し腹筋を使って腰を丸めるように前かがみをしてもらいそれに対して抵抗をかける。力を抜いてもらい、再度前かがみ、反る動作での痛みの有無を確認する。これにより前かがみと反る動作の両方で痛みがなくなる場合は、筋肉の過緊張が原因と考えられます。

また前かがみと反る動作のどちらか一方の動きで痛みがなくなり、でも反対の動きでは痛みが残る場合は、痛みの残る動作で痛みがなくなる疼痛抑制動作をし、有効なアプローチを探ります。
 
 
 
後ろの反る動作で背骨付近に痛みが残る場合は椎間関節性腰痛を視野に入れる
 
前かがみで背骨付近に痛みが残る場合は椎間板性腰痛を視野に入れる
 
骨盤の関節やお尻に痛みがある場合は仙腸関節性腰痛を視野に入れる
 
 
 
治療方法
 
上記の痛みを軽減させるタイプが分かったら、そのタイプの動きを制限させる筋・筋膜の癒着を解放(リリース)させ、柔軟性を取り戻します。併せて痛みを軽減させる動きを促進させるエクササイズを行うことでより安定させていきます。
 
ファシア(筋膜)へのアプローチは、
浅層ファシア、深層ファシアは評価と同じ方法で皮膚を動かしリリースします。
 
筋肉へのアプローチは、
筋肉間のリリースを当整骨院では行っています。
 
手法についてはこちらをご覧ください。
リアラインコンセプト 組織間リリース(ISR)

代表の馬場は当協会のジョイントヘルス部門でのスペシャリストとして資格認定をされています。
 
 
 
 
セルフで行う場合
 
制限させている皮膚のストレッチ(リリース)、筋肉のストレッチを行い、あわせて痛みを軽減させる皮膚誘導を自ら行いつつ腰の前後傾を繰り返すことで、筋・筋膜の円滑な運動を引き出すことができ痛みの軽減につながります。
 
具体的には
皮膚のストレッチ(リリース)は皮膚を掌で抑え筋肉の上を滑らせるように行います。上下左右と動かし硬いところ、動きの制限があるところをよく行うといいでしょう。ただし、ローラー上のものの上に乗りコロコロ転がしほぐすといった方法は私はおススメしていません。これは一時的にはいいですが逆に癒着を増長させてしまうことも起こるからです。優しく行うことがポイントです。ただしくっつき合いが強い場合は多少なりとも痛みを感じるので、無理やり行わないようにしていください。続けていくことで柔軟性は回復します(くっつき合いは解放)。
 
 
腰部の筋肉を緩めるエクササイズです。エクササイズを行うことにより、体の反射により腰部の筋肉が柔軟性を早期に取り戻せます。
寝起きにやっておきたい4種目(3分で終わります)
 
 
ストレッチはこちら(上記のエクササイズを行ってから行うとより効果的です)
椅子に座って行うストレッチ4種目
 
 
ご自身で行う場合は、あくまでも痛みのない範囲で行いましょう。痛みが強い場合は、無理はせずできる範囲のことから行い、痛みの状態に合わせて増やしていきましょう。

 

 

4つの機能的腰痛

椎間関節性腰痛
椎間板性腰痛
仙腸関節性腰痛
筋・筋膜性腰痛

 

そのほかの腰痛

椎間板ヘルニア
脊柱管狭窄症
腰椎分離すべり症

 

 

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