2024/3/13
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【すねの痛み】シンスプリントの原因と対処法 |
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【すねの痛み】 シンスプリント原因と対処法について 2024年3月13日更新 シンスプリントとは ランニングやジャンプを繰り返したり、 強力な足首の動きを繰り返した時に 下腿(すねの骨)の内側の下に多く生じる筋肉や腱の炎症性障害です。 後脛骨筋や長趾屈筋、ヒラメ筋などがオーバーユース(使いすぎ)によって障害された状態とよく言われています。 痛みがひどい場合は、骨障害の可能性もあります。 ランニングやジャンプなどの着地の衝撃を股関節や足関節でうまく吸収できないために、 骨がたわむというストレスが起こります。 それにより起こる疲労骨折も頭に入れておきたいところです。 発生のメカニズム 接地時に足の土ふまずがつぶれるするような走り方をする場合、 ヒラメ筋や後脛骨筋、長趾屈筋の付着部に牽引力が加わって、同部に痛みが生じるものです。 その動きが硬いグラウンドでのランニングやジャンプなどを過度に行うと 筋・腱に慢性的な牽引ストレスが加わります。 そして筋・腱の弾力性が低下している場合などにこのようなストレスが加わると 腱・骨間膜に微細な損傷が加わることになるのです。 したがって筋・腱の弱い時期、 すなわち、まだ未熟な年代やしばらく運動から遠ざかっていて筋力が低下しているような人が いきなり強い運動、特にランニングやジャンプを開始するとシンスプリントが発生するのです。 もちろんこの状態はトップアスリートといわれるレベルの競技者でも、 練習方法が不適切であったり練習量が多すぎたりすれば発生します。 シンスプリントを引き起こしてしまう原因 原因はいろいろと上げたらきりがありませんが以下がひとまず考えられるところです。 専門的な言葉なで難しいのでここはスルーしてください。 下腿後側の筋群の筋力低下 アキレス腱のタイトネス、および機能的内反尖足 足関節の回内不安定性 踵の外がえし運動の増大 下腿の内反 下腿の外旋外方変位 距骨下での内反変形 前足部での回外変形 専門的な表現で分かりづらいのですね。 分かりやすくまとめると ジャンプの着地など膝を曲げるときに、 足の指先に対して膝が内側に入ることが 症状を引き起こす大きな原因となります。 これをニーイン・トゥアウトといいます。 このニーイン・トゥアウトにより、 先ほどの土ふまずがつぶれてしまう使い方にもなります。 また、 股関節を外に開く筋力の低下 膝関節を曲げる筋力の低下 土踏まずの低下 といったことにより、 着地時に過剰な膝下の骨(下腿)のねじる力を引き起こすとされ、ランニング(ジャンプ)の脚の接地時の短時間で繰り返される過剰な膝下の骨へのねじる力の変化がストレスを与えると考えられます。 この過剰なねじれストレスがシンスプリント発症に関与する原因のもう一つと考えられます。 そしてその引き起こす原因は結果としてで全身が関わっています。 骨盤や股関節や足関節、足部の可動域の低下から間違った動き(ニーイン・トゥアウト、偏平足など)をきたし、動作中に脚に生じる負荷の分散が上手くできないことから過剰な負荷にさらされた部分に障害が生じるのです。 外的因子としては硬いグラウンド、不適切な運動などがあります。 症状 痛みは運動を開始すると生じます。 圧痛部位(触ると痛いところ)はヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋に沿って下腿(すねの骨)内側の真ん中から下の部分に多く生じます。 症状が軽い場合は痛みは運動時のみにでます。 特にリズミカルな繰り返し運動や早歩き、ランニングなどを行った時に認められるが進行すれば 通常の日常生活の歩行などでも痛みを訴えるようになってしまいます。 また足関節の抵抗運動やつま先立ちなどの筋肉を使うことで痛みが増大します。 痛みのある所を押すと、非常に強い痛みが生じます。 二つに分類すると シンスプリントは大まかに「一般型」と「難治型」に分けられます。 一般型の場合 すねの骨の真ん中からやや下に「長趾屈筋」という人差し指から小指までを動かす筋肉が付ついており、それより下で後脛骨筋という足首を内ひねりする筋肉が交叉しています。 足指を曲げる「長趾屈筋」が過剰に働く(足指を握る)と、足首を内ひねりする「後脛骨筋腱」を「長趾屈筋」が上から圧迫をします(くっつきあってしまいます)。 その状態で「後脛骨筋」が動こうとすると障害され炎症がおこり、「長趾屈筋」がくっついている骨は引っ張られて骨に障害が発生すると考えられます。 難治型の場合 骨に障害が起こります。 着地の衝撃を股関節、足関節で吸収できないために骨がたわみ、そのストレスにより骨に障害を起こすと考えられます。疲労骨折のなる可能性がある状態です。 一般型、難治型の両者の原因が違うため、同一の治療は適切ではありません。 次の「治療」で解説しますね。 治療 この一般型、難治型ともに、 関節の位置関係の不良や負担のかかる間違った動きの結果によるオーバーユース(使い過ぎの症状)です。 したがって受傷直後の炎症期では、局所の安静が大事ですので、テーピングなどでの固定やアイシングも大事になってきます。 一般型の治療 一般型は、アイシングによる炎症の軽減から、筋の正しい収縮パターンと間違った動きを変える必要があります。 筋の正しい収縮パターンは、 長趾屈筋が過剰に働いてしまうことを軽減させる必要があります。 長趾屈筋は足指を曲げることと足首の内側からの安定性に関わっていますので、2つの役割があり過剰に働いてしまいます。 負担を軽減するには、 「虫様筋」という足指の根元の関節を動かす筋肉がさぼってしまっている可能性が高いので、この筋肉のエクササイズを行うといいでしょう。 虫様筋のエクササイズ動画は以下をクリック。 https://youtu.be/pWxMAi0zNGw 難治型の治療 難治型は、骨へのダメージを軽減するために4週間の安静と、関節可動域改善などにより着地の衝撃を柔らかく吸収できることが必要です。 着地の衝撃を柔らかく吸収できるようになるということは、これも間違った動きを変えるということですね。 間違った動きを変えるために必要なこと 当院(当スタジオ)では、 局所の安静期から関節の位置関係を整えて、早期回復していくお手伝いをしております。 そして今後同じような症状を繰り返さないために、負担のかかる間違った動きを改める必要があります。 ですが、その前に使い方を改めるにも まずは関節が適切に動くように筋肉や腱、皮膚、皮下組織、靭帯などを緩めていく必要があり、硬く動きずらくなってしまった関節に加わるストレスを減少させることが大切です。 ここで行っておきたい治療は、当院の組織間リリース(癒着剥がし)という技術です。 くっつきあってしまっているところを剥がして、本来あるべきスムーズな動きを引き出していく治療です。 これを行うことにより、ストレッチやマッサージでは得ることができない、本来の動きが回復し良くなった動きの持続を得ることができます。 筋膜リリースとよく聞くと思いますが、それよりも細かく神経や筋肉・靱帯などの組織同士のくっつきあいを剝がしていく技術です。 根本改善の秘訣はここにあります。 間違った動きを改善していくエクササイズ シンスプリントになりやすい方の動きの特徴としては、 「ニーイン・トゥアウト」と言って、 片足接地時に、土踏まずがつぶれ、膝が足の指先より内側に入ってしまう使い方をしてしまうことが多いです。 この動きを改善するためのエクササイズを一つ紹介します。 ニーアウトスクワット ①両足をくっけます。 ②膝が目一杯前に出るようにしゃがみます。 ③しゃがみ切ったら母趾球に荷重しつつ(小指側に荷重しない)、膝をできる範囲で開きます。 ④立ち上がります。 これを繰り返します。 これを10回ほど行うと、以下のような変化となりました。 足首の上のすねの骨の角度が違っているのが分かるかと思います。 今回紹介したエクササイズは、足首の関節の動きの向上だけでなく、 脚の指先に対して膝が内側に入らないようにする使い方も改善するものです。 このエクササイズを行うことによって、 「足部のゆがみ改善」 「足関節のゆがみ改善」 「膝関節のゆがみ改善」 の効果が期待できます。 動画も用意しておりますので、 こちら から確認してください。 あとは原因のところでもお伝えした通り、 股関節の外に開く筋肉がしっかりすることが大切です。 この筋肉がしっかりすることで片脚立ちが安定し、膝が内側に入りづらい体の使い方のベースとなります。 エクササイズはこちらです。 立って行う中殿筋エクササイズ この中殿筋のエクササイズは立って行うことで、脚の筋力が総合的に構築され、実践的に使えるようになっていくのでお勧めです。 あなたのシンスプリントを繰り返さない方法は、 「痛みを起こしている症状(痛いところ)に対してではなく、 その原因(全身)に対して、間違った動きを改善し、痛みのある所に負担をかけない 適切な治療を行なうこと」です。 【参考文献】 床反力からみた中学陸上競技者のシンスプリント発症に関する前方視的研究 https://core.ac.uk/download/pdf/15922782.pdf 動作時の骨盤アライメント補正により疼痛が軽減したシンスプリントの一症例 http://www.ai-hosp.or.jp/content/files/20170629-020609.pdf 理学療法士・ピラティスインストラクターが考えるシンスプリントの予防 https://note.com/gakutore/n/ne9e0ab0878a5 身体機能および片脚ドロップジャンプ着地期の下腿回旋角度からみたシンスプリント発症者の身体的特徴 https://www.reha.kobegakuin.ac.jp/~rehgakai/journal/files/no11-2/ronbun07.pdf 高校女子バスケットボール選手の股関節外転筋・後足部機能とニーインおよびヒップアウト の関係について https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/58/1/58_1_55/_pdf シンスプリントの重症度分類と治療 八木茂典 東京医科歯科大学大学院運動器外科学分野 https://tokyo-sports.net/wp-content/uploads/2010/07/cbf5c55e655782a3d326811ac28eaa2f.pdf 北千住、西新井、綾瀬、草加、越谷、松戸、柏、八潮、流山など お体の不調やスポーツパフォーマンスの不調でお悩みの方は、 北千住駅から徒歩3分、22時まで行っている sports&careスタジオ カラダプラス(パーソナルトレーニング/整骨院)にご相談ください。 |
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