2025/9/14

ランニングで起こりやすいアキレス腱炎とは?原因と改善方法

ランニングで起こりやすいアキレス腱炎とは?
原因と改善方法

 

 

■病態       

アキレス腱炎は、
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)と
踵をつなぐアキレス腱に

 

繰り返しストレスが加わり、
炎症や変性が起きてしまう
「オーバーユース障害(使いすぎによる障害)」です。

 

初期には
アキレス腱の周囲に炎症が生じますが、

 

長引くと
腱自体のコラーゲン繊維が乱れ、
修復しにくい状態に移行してしまいます。

 

「走るとアキレス腱がズキズキ痛む」
「朝起きて一歩目がつらい」
といった症状が典型的です。

 

 

 

■原因       

アキレス腱炎の主な原因は以下の通りです。

  • ランニング量・スピードの急な増加

  • 硬い路面や坂道でのトレーニング

  • ふくらはぎの柔軟性不足(筋肉の硬さによる牽引ストレス)

  • 足のアライメント異常(扁平足や回内足など)

  • シューズの摩耗や不適合

  • 加齢による腱の回復力低下

 

つまり
「負担のかかりやすい動作」と
「回復力の不足」が
重なると発症しやすくなります。

 

 

 

自分でできるケア方法

急性期(痛みが強いとき)

  • ランニングを休み、冷却(アイシング)を行う

  • 踵に少し高さを出すインソールやヒールリフトで腱への引っ張りを減らす

  • 強いストレッチは避け、安静を優先

 

回復期(痛みが和らいできたら)

  • ふくらはぎのストレッチ:壁に手をつき、膝を伸ばして踵を床に近づける

  • エキセントリック運動:段差に立ち、踵をゆっくり下ろす運動(1日2回 10〜15回×3セット)

  • マッサージでふくらはぎをほぐす

 

これらを継続することで、腱の修復を促し再発予防につながります。

 

 

 

当院での施術    

治療        
 
治療の流れとしては、この2点です。
 
①徒手療法
②運動療法(動作改善)
 
 
 
①徒手療法
 
組織間リリースによるアキレス腱へのアプローチ
 
「組織間リリース」とは、
筋肉や腱・靭帯・皮膚などの
“組織と組織のすき間”に着目し、
 
 
その動きを改善するための
手技療法です。
 

アキレス腱炎では、
炎症や繰り返すストレスによって
腱と周囲の組織
(皮下組織、パラテノン、脂肪体など)が癒着し、
 
 
滑走不全を起こすことが多くあります。

 

組織間リリースは、
この「滑走不全」を改善することで、
腱にかかる負担を減らし、
回復をサポートします。

 

 

アキレス腱炎に対する具体的アプローチ

① アキレス腱と皮膚・皮下組織のリリース

・アキレス腱周囲は皮膚との滑走が悪くなると動きが制限されます。

・優しく皮膚をずらすようにして、腱表面との滑走を改善します。

 

② アキレス腱とパラテノン(腱周囲の膜)のリリース

・アキレス腱の痛みの多くは「腱そのもの」より「腱周囲組織(パラテノン)の炎症・癒着」です。
 
・パラテノンと腱の間のすき間を解放することで、動作時の摩擦や炎症反応を減らします。
 
 
③ 腓腹筋・ヒラメ筋とアキレス腱の移行部のリリース
 
・ふくらはぎの筋肉が硬くなると、腱に過剰な牽引ストレスがかかります。
 
・筋肉と腱の境目の滑走を取り戻すことで、牽引力を分散させます。
 
 
④ 足関節周囲の組織連鎖の調整
 
・足関節の背屈制限(足首の硬さ)があるとアキレス腱に負担が集中します。
 
・距骨周囲、アキレス腱下の脂肪体などの組織間もリリースして動きを広げます。

 

組織間リリースの効果

・痛みの軽減:摩擦や炎症の要因となる癒着を改善

・柔軟性の回復:ふくらはぎ〜アキレス腱の動きがスムーズに

・動作改善:走る・歩く時の足首の動きが自然になり、腱へのストレス減少

・再発予防

 
 
組織間リース により
筋肉が本来持つ動きを蘇らせていきます。
これで痛みは軽減します。
 
しかし、
微細に損傷してしまっている組織は
修復されたわけではありません。
 
 
患部に負担をかけないで
修復していく時間も必要不可欠なのは
頭に入れておくべきポイントです。
 
 
 
②運動療法
 
アキレス腱の損傷の原因の一つとして、土踏まずをつぶす走り方があります。
これを改善していくには足首(アキレス腱)だけの治療や運動療法では良くなりません。
そして土踏まずがつぶれてしまうのは、足の問題だけではなく体全体が関わっています。
 
原因として、
片脚立ちの不安定、それに関わる骨盤の傾き、膝のねじれ(ニーイントーアウト)など多岐にわたります。
 
具体的な運動療法については、
また次回お伝えします。
 

 

 

次に自分でできる
簡単な動作改善方法をお伝えします。

 

自分で行う動作の改善方法   

・ストライドを狭くする:大股走法を避け、ピッチを上げて走る

・接地位置を体幹の真下に:足を前に突き出さず、ブレーキ動作を減らす

・坂道・スプリント練習は控える:回復するまでは平地で軽めのジョグに限定

・シューズを見直す:クッション性が高く、踵の摩耗が少ないものを選ぶ

 

正しい動作に修正することで、
アキレス腱への負担を
大きく減らすことができます。

 

 

 

超音波を使用した治療方法

当院では、超音波療法を取り入れてアキレス腱炎の回復をサポートしています。

  • 血流促進効果 → 損傷した腱の修復を早める

  • 炎症や痛みの軽減 → 治癒過程をスムーズにする

  • 組織の柔軟性改善 → 硬くなった腱や筋肉の動きを助ける

 

とくに慢性化したアキレス腱炎では、
自然な治癒だけでは時間がかかるため、
超音波治療を組み合わせることで
早期回復を目指すことができます。

 

超音波療法についてのまとめ
スポーツ外傷における超音波療法の効果
足関節捻挫、アキレス腱炎、肉離れ、各疾患における超音波療法について
低出力パルス超音波(LIPUS)について

 

まとめ       

アキレス腱炎は
ランニングを続ける方にとって
身近なトラブルですが、

 

早期に適切なケアと
治療を行えば、
早期の改善が期待できます。

  • 動作を見直し、負担を減らす

  • セルフケアを継続して腱の回復を助ける

  • 専門的な治療(超音波療法・手技)を併用する

 

もし「走るとアキレス腱が痛む」
「何週間も良くならない」と
感じている方は、

 

ぜひ一度当院にご相談ください。

 

症状や動きを詳しくチェックし、
あなたに合った改善方法をご提案いたします。

 

 

 

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