2024/1/16

足の裏の痛み 足底腱膜炎(足底筋膜炎)の原因と対処法

 
朝起きて足を着くと痛い、走りはじめに踵が痛い
足の裏の痛み 足底腱膜炎(足底筋膜炎)の原因と対処法
 
 
 
 
足底腱膜炎とは   
 
足の指の付け根から踵まで、足の裏に膜のように張っている腱組織・足底腱膜(足底筋膜とも。 以降、足底腱膜に表記統一する)に炎症が起き、小さな断裂を起こして痛みをもたらす症状です。
 
足底腱膜炎が起こると、「朝起きてからの最初の一歩が激しく痛む」「急に歩きだすと痛む」といった症状がみられるようになります。
 
多くは踵の骨の前あたりに痛みが起こり、マラソンなどの競技者に多く見られます。
ランニング動作の繰り返しによる障害で、足底部のオーバーユースを原因として発症しやすいものです。
 
 
 
 
発生のメカニズム  
 
足底腱膜は足部のアーチを保持しています。
スプリングのように荷重時にショックを吸収する役目がありますが、
そのためランニングやジャンプ動作などで体重刺激が足部にかかる場合、
足底腱膜は繰り返しの牽引刺激によって微小断裂や炎症が発生しやすくなります。
 
 
原因の一端には、
 
・オーバーユース(使いすぎ/負荷のかけすぎ)
・硬い路面(サーフェスの変化)
・シューズの変更(ヒールアップが望ましい)
間違った体の使い方(ニーイン・トーアウトなど)
 
なども挙げられます。
 
 
 
こんな足裏を痛めるストーリーができます。
「今度のレースでは自己ベストを出したいから奮発して今はやりの厚底シューズを購入。土手は直線で距離表示もあるから、アスファルトで硬い路面だけどシューズの反発力をもらいやすくて走りやすい。今月は今のところ月間100㎞超えてきた。レースも近いし150㎞まで頑張ってみるか。」でなかなか良くならない足底腱膜炎。
足底腱膜炎(足底筋膜炎)になってしまう人の特徴の一つとして、偏平足があげられます。
偏平足だと足裏にかかる荷重を吸収・分散させることがうまくできないからです。
また見た目は足裏のアーチ(内側アーチ)があっても、歩行やランニング時にアーチをつぶしている方も多くいます。これを機能的な偏平足といいます。
 
 
 

機能的な偏平足を確認する簡単な方法

しゃがみ込みテスト

・左はきれいにしゃがみこんでいます。
・真ん中は膝に対して足先が外側を向いてしまっています。
・右はしゃがみ込むことができていません。

ここで言えることは、
しゃがんだときに膝に対して足先が外側に向かってしまう場合(足の指先に対して膝が内側に入ってしまう場合)は、「下腿外旋位」という状態になります。

この状態はランニングでの足接地時に膝が内側に入りながら走っている可能性がある状態です。
これは重心が足の内側にかかってしまうため機能的な偏平足な状態でもあります。
 
 

右側の写真はしゃがみ込むことができないので足首を反る動作に制限があります。写真では踵を上げていますが、足首が固いと、踵をつけてしゃがみ込むときに
足の指先を外側に向けて代償してしゃがまないとならないため、結果として足のアーチをつぶすことにつながります。
 
 
 
症状        
 
荷重時の足底部痛は、踵〈かかと〉に近い腱膜起始部に最も多く発生し、
特に起床時や練習開始時に痛みが出やすい傾向があります。
 
特に足底部内側の足底腱膜起始部は、脛骨神経の分枝である外側足底神経が介在していて、硬くなった筋膜に拘扼〈こうやく〉されたり、微小断裂のために圧痛、腫張が、時に硬結(しこり)が認められます。
 
 
 

治療        
 
急性期は局所の炎症を抑えることが先決です。
 
したがって受傷直後の炎症期では、局所の安静が大事ですので、テーピングなどでのサポートも大事になってきます。
 
足底テーピング(デニバン使用)
 
 
また足底部へ直接的、あるいは間接的(下腿などへ)に干渉波、超音波などの物理療法を行い、痛みを和らげます。
これで良くなります。ただし、足の裏ですから、歩くことで常に負担がかかってしまいます。
 
 
また、
この足底腱膜炎は、普段より荷重している方の足に起こりやすいです。
何気なく痛いほうの足に体重をかけている習慣はないですか?
これには骨盤の影響やその習慣による影響が考えられますので、その修正が必要になります。
 
 
テーピングや足底板使用などもショックを和らげますので有効です。
保存療法に難渋して踵骨付着部の骨棘〈こつきょく〉による疼痛が強い場合は、
骨棘の骨切除術を行うことも考える必要があります。
その場合は整形外科をご紹介いたします。
 
 
そして急性期におけるトレーニングの基本は、やはり非荷重運動を行うことが大事。
リハビリ初期には足に体重の負担のかからないエアロバイク等での
有酸素運動を積極的に取り入れるといいでしょう。
 
焦って早く走り始めてしまうと、落ち着き始めていた患部が再負傷しかねません。
何かしないと落ち着かない方は、エアロバイクをサドルを高くして前傾姿勢を保ちながらハムストリングスを使う感覚で行うと心肺機能の維持だけでなく、ランニングにもつながる運動となりますのでお勧めです。
 
 
 
 
早期回復させるためには
 
当院では、
早期回復のため根本的な改善を目的としたケアを行い
局所の安静期から関節の位置関係を整えていくことを行っています。
 
今後同じような症状を繰り返さないために、
負担のかかる使い方を改める必要がありますが、
その前に使い方を改めるにも
その使い方にブレーキをかけてしまって負担のかかってしまう使い方になってしまっているところを緩めていく必要があります。
 
硬くなった局所に加わるストレスを減少させるということです。
 
 
 
 ここで行っておきたい治療は、当院の組織間リリース(癒着剥がし)という技術です。
 
くっつきあってしまっているところを剥がして本来あるべきスムーズな動きを引き出していく治療です。
これを行うことにより、ストレッチやマッサージでは得ることができない、良くなった動きの持続を得ることができます。
 根本改善を目的としたケアの秘訣はここにあります。
 
 
 
そして
炎症期が終わったら早速使い方を改めることを行っていくことができるのも当院での特徴です。
 
足底腱膜炎(足底筋膜炎)になってしまう人の特徴の一つとして、偏平足があげられます。
偏平足だと足裏にかかる荷重を吸収・分散させることがうまくできないからです。
また見た目は足裏のアーチ(内側アーチ)があっても、歩行やランニング時にアーチをつぶしている方も多くいます。これを機能的な偏平足といいます。
 
 
 
 
機能的な偏平足を確認する簡単な方法
 
しゃがみ込みテスト
 
 
・左はきれいにしゃがみこんでいます。
・真ん中は膝に対して足先が外側を向いてしまっています。
・右はしゃがみ込むことができていません。
 
ここで言えることは、
しゃがんだときに膝に対して足先が外側に向かってしまう場合(足の指先に対して膝が内側に入ってしまう場合)は、「下腿外旋位」という状態になります。
 
この状態はランニングでの足接地時に膝が内側に入りながら走っている可能性がある状態です。
これは重心が足の内側にかかってしまうため機能的な偏平足な状態でもあります。
 
 
 
右側の写真はしゃがみ込むことができないので足首を反る動作に制限があります。写真では踵を上げていますが、足首が固いと、踵をつけてしゃがみ込むとき
足の指先を外側に向けて代償してしゃがまないとならないため、結果として足のアーチをつぶすことにつながります。
 
その改善方法はこちら
 
【足首が固い人におすすめ】ニーイン・トーアウト予防にもなるスクワット
 
 
偏平足・外反母趾の予防・改善には【後脛骨筋】エクササイズ
 https://youtu.be/MgBQDn_7J48
 
 
 
 
まとめ       
 
あなたの足底腱膜炎を繰り返さない方法は、「痛みを起こしている症状(痛いところ)に対してではなく、
その原因(全身)となっている間違った動きを改善していくこと」です。
 
あなたのそのなかなか良くならない足底腱膜炎は、
負担のかかる使い方をし続けた結果の症状ですから、緩める、整える、だけではなく、
「あなたの体(骨格、筋肉など)に合わせた正しい動き」に導いていく運動アプローチがキーとなることでしょう。

 
 
PS:私も昔、足底腱膜炎になりました。
少し休んではまた痛みが出るというのを何度か繰り返したので、ハーフマラソンの1か月前ということもあり、これは痛んでいるところが損傷していると考え、3週間休みました。
レースの当日、ウォーミングアップとして走ってみると…
「足裏が痛いような気がする」
これは無理かなと思ったのですが、足裏の痛かったところと違うところが気になっている感じがしたので、これはきっと気のせいだ(笑)と思い、思い切って走りました。
夢中になって走っていたら痛みがあったことも忘れてゴールしました。自己ベストのおまけつきで。
痛みはその時もなく、その後も再発していません。
 
足の痛みは気になってしまうところです。
歩くたびに気になるなど経験していると、また痛めてしまうことを考えると怖くなってしまいますよね。
私はこの経験から、患部が損傷している痛みと判断したときは、中途半端に休まず3週間は走らないことにしています。靱帯などの組織の軽微な損傷はおおまか治癒に3週間かかるといわれています。
3週間たってもいたい場合は、痛みという恐怖心からくる「気のせい」と判断するようにしています。
おかげさまで長期間走れなくなることもなくランニングを楽しんでいます。
 
でも、これは私自身が専門家であることも、痛みに対する恐怖心が低いのもあるでしょうね。
話が長くなってしまいました。
今日はこの辺で!
 
 
 
 
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