2023/9/6
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椎間板ヘルニアの症例 |
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こんにちは。 馬場大輔です。 今日は、腰部椎間板ヘルニアの症例についてお伝えします。 農業を仕事としている65歳男性。 作業中、前かがみになった際に腰痛と左下肢痛が発症。 ・しゃがむ動作が特に脚に痛みが走る ・前屈で腰痛と下肢痛 ・SLRテスト(-)も股関節内旋内転にて臀部に痛み(+) ・椎間板疼痛抑制テストにて第4第5腰椎で痛み低下 動作痛や疼痛抑制テストから「腰部椎間板ヘルニア」として施術。 前屈時の痛みに対してそれの抵抗する筋肉を緩め、後方に飛び出ている可能性のある椎間板を前方に移動させることで症状は治まりました。 2日後の再来時にはずいぶん楽になったとのことでした。 しかし農作業時に再び症状悪化。 この時は薬を飲まなくてはいられないほどの痛みだったようです。 病院を受診しX-P(レントゲン)をとり、椎間板ヘルニアと診断を受けました。 以下は、患者様より病院で受けた話などのメッセージをいただいたので、 返信として患者様にお伝えした内容の抜粋です。 ++++++++++ 椎間板ヘルニアによる症状は、 ①「椎間板の損傷による痛み」と、 飛び出た組織(ヘルニア)による②「脊柱管内(神経の通り道)の組織損傷の痛み」、 ③「神経根や馬尾神経への刺激による痛み」 の3つに分けて考えます。 ①「椎間板組織損傷の痛み」 としては強い痛みが数週から数カ月続きます。 炎症が収まるに連れ痛みは落ち着いてきます。 屈げたり回旋により痛みは増強します。 ②「脊柱管内の組織損傷の痛み」 は専門的な表現となりますが、後縦靭帯を超え脊柱管内に髄核が脱出します。 この状態になると3ヶ月程度強い痛み~半年程度で痛みが続くこともあります。 ③「神経根や馬尾神経への刺激による痛み」 痛みは下肢痛や麻痺症状です。馬尾神経への圧迫により膀胱直腸障害が起こったら要注意です。早期に病院を受診しましょう。 炎症が収まることで徐々に消失していきます。 ①と②は組織損傷、③は神経症状です。 長期を及ぼし慢性化しての症状になると、腰痛は複数の要因が重なる症状になることが多いです。 そのため、急性期の椎間板ヘルニアでの腰痛と下肢症状だったものが、どちらかが治まり、そして再び症状として現れたとき、どうしても以前の椎間板ヘルニアとの関連を考えてしまうものですが、私の臨床では腰痛と下肢痛の原因が別ということが多くみられます。 ここのところは話せば長くなってしまいますので、また別の機会にお話していきます。 今回は初回の状態では①の状態だったであろうと思います。 先日は痛み止めもお飲みということで、はっきりとした状態確認ができませんでしたので現状の状態はレントゲンからはわかりません。 MRIをとればはっきりとしたことはわかりますが、はっきりとしたことが分かるだけで症状が改善するわけではありません。 初回の状態を評価したところから推測すると、①の椎間板組織の損傷ですんでいるのではなかろうかと考えます。 ヘルニアの程度を4段階とするならば2番目(1番が一番軽症)でしょう。 そのように考えると、 強い痛みは数週から3か月程度あることを想定していただける(覚悟していただける)といいでしょう。 これは組織の損傷なので、組織の修復を日常生活での負荷を与えつつもを待つ必要があります。 ご自身で行うリハビリは、 後ろに突き出たヘルニアを前に促すために、2つのエクササイズをお伝えしています。 ①一つはうつ伏せで肘付きのポジションで2分程度じっとしていること。 ②もう一つは腰に手を当て前方に押しつつ背骨を反り、その状態を3秒キープして戻す、これを繰り返すことです。引用:これだけ体操 腰が曲がることがNGなので、しゃがみ込むときに腰を丸めないことが大切です。 その意識を強く持ち、そのしゃがみ込む動作時に腰が丸くならないためにはもも裏のストレッチを習慣付けてください。 また当然腹筋強化は大切ですが、現在腰を丸めることはNGなので、日常生活の中でお腹を凹ませることを意識してください。 これにより腰を前側から安定させることにつながり、お腹を凹ませることが習慣つけば、一番の腰痛予防になります。 ++++++++++ いわゆる「ぎっくり腰」と呼ばれる急性の腰痛は、 背筋群の緊張や椎間関節による局所の痛みのことを指します。 下肢へのしびれ麻痺などの神経症状を伴う急性の椎間板ヘルニアは、いわゆる”手を出せない腰痛”です。 ある一定の時間がかかることを頭に入れておけると、なかなか改善しない症状に対するストレスを和らげてくれることでしょう。 それを見定めるのは、 『痛みを出している組織を仮説し、その組織および、その組織への負荷を改善させる評価』です。 お問合せ、ご相談、ご予約のお申込はこちらからお願いします。 |
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