2025/6/10

投球障害、SLAP損傷(肩関節唇損傷)について

 
投球障害、SLAP損傷(肩関節唇損傷)について
 
 
 
 
「投げると引っかかる感じがする」
 
「肩が外れる感じがする」
 
 
 
これらの症状はSLAP損傷(関節唇損傷)かもしれません。
 
 
 SLAP損傷とは    
 
肩関節の上部にある関節唇の損傷を指します。
 
 
特に、上腕二頭筋腱が付着する部分の損傷で、

オーバーヘッドスポーツである野球、バレーボールなどの
 
投球動作やアタック動作などによって発症することが多い。
 
 
 
SLAP損傷の主な症状には、
 
肩の痛みや不安定感、力の低下、
 
特定の動作時の不快感などがあります。
 
 
診断には、医師が患者の症状を評価し、
 
画像検査(MRIなど)を行うことが一般的です。
 
 
 
また損傷の度合いにより分類されています。
 
【分類】
・type1・・関節唇の変性のみ
・type2・・上方の関節唇が関節窩から剥離した状態
・type3・・バケツ柄型の損傷で断裂した関節唇実質部が転位し関節内に陥頓しうる状態
・type4・・type3と同様に関節唇実質のバケツ柄断裂に加えて、損傷が上腕二頭筋長頭腱に及ぶもの
 
 
 
上腕二頭筋の筋肉の腱が肩の上方にある関節唇に付着します。
 
それが投球時の牽引力や捻る力によって、
 
傷がついたり、裂けてしまったりします。
 
 
 
炎症期であれば、痛み、脱力感、
 
引っかかり感などの症状が出現します。
 
炎症が引くと痛みは落ち着きますが、
 
引っかかり感やクリックなどの症状が残存します。
 
 
日常生活でも不安定感などが現れるようになってくると
 
手術を検討しなくてはなりません。
 
 
もちろん、
 
投球時の痛みや不安定感が持続する場合は、
 
競技レベルによっても手術を検討する必要が出てきます。
 
 
 
 
 
保存療法としてのリハビリ内容(運動療法)
 
SLAP損傷のリハビリでは、
 
以下のステップを踏んで段階的に機能を回復させていきます。
 
 
 
 1. 急性期(受傷直後〜2週程度)
 
目的:炎症を抑え、痛みを軽減していく期間
ポイント:痛みのないようにする
 
・安静(特に肩を上げたり捻ったりしない)
 
・アイスパックで冷却(1回15〜20分、1日数回)
 
・腕を体に近い位置に保持(必要に応じてアームスリング使用)
 
・軽い可動域運動(痛みがない範囲で行う)
振り子運動(Codman’s exercise)
肩甲骨の自動運動(肩甲骨の上げ下げ)
 
 
 
2. 回復期(2週〜6週)
 
目的:可動域の回復と肩周囲の安定性強化
ポイント:痛みのない範囲で行うこと
 
・ROM(可動域)運動
肩屈曲、外転、外旋・内旋の他動運動 → 自動介助運動
胸郭(胸椎)・肩甲骨の可動性改善も重要
 
・筋力トレーニング
等尺性収縮(特にローテーターカフと肩甲骨周囲筋)
例:肩内外旋・屈曲・伸展・外転のアイソメトリック
 
・姿勢改善
猫背や前方頭位などのアライメント修正
胸椎伸展、肩甲骨の後退・下制の訓練
 
・体幹・下肢連動性の強化(特に投球動作などに重要)
プランク系、スクワット、ランジなど
 
 
3. 強化期・復帰期(6週〜3か月)
 
目的:動的安定性の回復とスポーツ動作への復帰
ポイント:痛みのない範囲で行うこと
 
・チューブ・ダンベルなどを用いた動的トレーニング
肩の外旋・内旋トレーニング(特に90°外転位での制御力向上)
 
・段階的なスポーツ復帰プロトコル
軽いキャッチボール → 中距離投球 → 遠投(痛みのない範囲で徐々に投げる距離を伸ばしていく)
 
 
 
 

✅ リハビリ成功のためのポイント

  • 痛みのコントロールが最優先:無理に動かすと悪化の恐れあり

  • 肩甲骨の機能回復がカギ:肩甲上腕リズムを正す

  • 患部だけでなく体幹・下肢の可動域、連動性の強化:特にスポーツ選手では全身の連動性が重要

 
■注意点
保存療法では、関節唇自体の治癒は期待できないため、肩関節の緩さが残る場合があります。そのため、リハビリテーションをしっかり行う必要があります。

 
 
 
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